
平成19年9月に設立された北海道無暖冷房住宅研究会(以下、本研究会と称する)は今度ホームページを開設する運びとなりました。本研究会の会長としてご挨拶申し上げます。
北海道は、積雪寒冷ですが、幸いにも豊かな自然にも恵まれ、また先人の労苦が実を結び、生活の基本である食に困窮することはありません。しかし、この度の未曾有の大震災に際し、改めて衣と住の大切さを思い知らされました。近年は、大型で強い台風も度々迷走襲来し、洪水や土石流等による甚大な被害にも見舞われました。厄災が忘れないうちに次々とやってくる、無常の時代に入ったのかも知れません。被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。
自然災害に関係する気候変動の多くが地球の温暖化を遠因としているならば、CO2の削減も、省エネルギー化も喫緊の課題として解決しなければなりません。
幸いなことにこれまで、高断熱高気密化に関心を払って住宅の建設に努力を重ねてきた北海道では、暖房エネルギーを必要としない無暖房住宅の実現も夢ではありません。
極寒期の大震災に際して、例え灯油が届かなくとも、大停電に見舞われたとしても、無暖房住宅においては凍え死ぬようなことはありません。
本研究会では、その様な安全と安心ばかりでなく、冷房をも加味して無暖冷房住宅故に可能になる高耐久と長寿命をも兼ね備えた住宅の開発と実現に邁進しております。
しかし、無暖冷房住宅は、工務店による日々の地道な努力に加え、住まい方による十分なご理解と行き届いたご協力があって初めて実現することができるのです。
本研究会のホームページが、無暖冷房住宅の実現に際し、どの様なご理解とともに、どの様なご協力が必要とされているのか、をご認識して頂く機会となれば誠に幸いに存じます。これからの皆様方のご愛読とご支援をお願いし、本研究会ホームページ開設のご挨拶といたします。